“反り腰”とは、骨盤が前に傾き、腰のカーブが過剰になった状態を指します。反り腰になると、腰椎に過度な反りが生じ、関節や椎間板に強い負担がかかります。
これが続くと、脊柱管狭窄症・坐骨神経痛・腰椎椎間板ヘルニアなどの原因になるリスクが高まります。
骨盤が前傾すると、股関節の前面が詰まり血流が悪くなって、足の冷えやむくみを招くことにも繋がります。
そして、加齢や運動不足により腹筋の力が低下することで反り腰となる場合もあるといわれています。腹筋が弱いと骨盤は正しい位置を保てず、前傾しがちになるためです。そうすると、上半身が前に倒れないよう、無意識に腰を反るようになります。
また、長時間のデスクワークやヒールの着用なども反り腰の一因といわれています。

反り腰かどうかをチェックするためには、壁に背中をつけて立ち、頭・肩・お尻・ふくらはぎ・かかとを壁に当てるようにして立ちます。このとき、壁と腰の隙間に手のひらがスッと入る位が通常です。握りこぶしが入ってしまう場合は、反り腰の可能性があります。

反り腰の予防として、ヨガの「キャットアンドカウ」ポーズは、背骨と骨盤の動きを整えるのに効果的なストレッチの1つです。無理のない範囲で、ぜひ取り入れてみましょう。
【スタート姿勢】
床に四つん這いになります。
・手は肩の真下、膝は腰の真下に置く
・膝の間は握りこぶし1個分あけ、肘が反りすぎないよう注意
【カウポーズ(背中を反らす)】
息を吸いながら背中を反らせ、胸を前に押し出す
・顔は斜め上に向け、首を長く保つイメージ
・腰ではなく、胸から反る意識
【キャットポーズ(背中を丸める)】
息を吐きながら背中を丸め、お腹を引き込む
・視線はおへそ、手のひらで床をしっかり押す
・肩甲骨を外に広げるイメージで

【ポイント】
呼吸と動きを合わせ、10〜15回ゆっくり繰り返します。朝と夜、1日2回程度行うと、腰の緊張を和らげやすいです。痛みがある場合は無理せず、動きを小さくしましょう。
毎日のちょっとした習慣で、腰への負担を減らし、腰痛予防だけでなく全身の姿勢改善にもつながります。お風呂上りなど、決まったタイミングで取り入れて習慣にしてみましょう。